ペルー旅行紀行文
ペルー周遊 アンデスとナスカの地上絵(阪神航空) 2003年9月14日〜24日 
南米・ペルーは日本からとても遠い国である。日本からアメリカ経由でペルーの首都リマまで飛行時間だけでも約20時間、乗継時間を入れると丸1日以上かかってしまう。 何でそんな遠いところへ?と思われますが、ペルーには首都リマの歴史地区、インカ帝国の首都で栄華の名残とスペイン植民地時代の街並みを残すクスコ市街、謎に包まれたインカの「空中都市」マチュピチュ遺跡、地上絵で有名なナスカなど10箇所の世界遺産があるからである。

実際に訪れてみると、リマではあまり感じなかったが、クスコくると、空港ではフォルクローレ隊が音楽(コンドルは飛んで行く)を奏でていて、インカ気分も徐々に高まってきた。しかし、何か息苦しい!そう空気が薄いのである!この町はなんと標高3,600mの高地にあるため、酸素が少ない。激しい動きは高山病の元になるということで移動はゆっくり歩かなければいけない。 そして、高山病の予防になるといわれているコカの葉っぱが入ったコカ茶(コカは麻薬作物であるが、ペルーとボリビアだけ合法)を飲む。

クスコは11〜12世紀頃に建設され、太陽神を崇拝するインカ帝国の都として栄えた。ケチュア語で「ヘソ」を意味するこの都市には、帝国内のあらゆる地方から人々が集まり、まさに世界の中心地とされていた。しかし、16世紀になるとスペイン人の征服がクスコにも及び、インカ帝国は一瞬にして崩壊する。征服者たちは、太陽の象徴である黄金で彩られた神殿や宮殿を破壊し、金銀を手当たりしだい略奪してインカが築いた精巧な礎石の上にスペイン風の教会を建設していった。インカ時代の石と石のあいだに「カミソリの刃一枚通さない」といわれる巧緻さで有名な石組みと、スペインのコロニアルな建築物が融合したクスコには独特な雰囲気が漂っていた。

 マチュピチュはクスコから列車で4時間、さらに麓からバスで20分のところのアンデス山脈を望む山の頂にある。「空中都市」というキャッチコピーからかなり標高の高いところにありそうであるが、実はマチュピチュの方がクスコよりかなり標高が低いのである。しかし、断崖絶壁の上にあり、麓からは全く見ることができないきわめて特殊な立地にあるため「驚異の空中都市」といわれている。

また、ナスカでは6人乗りのセスナに乗って空中から宇宙人、猿、犬、ハチドリ、蜘蛛などの地上絵をみましたが、地上絵をみるために、セスナは右に左に旋回をくりかえすため、非常にきついものであった。地上に降りて見ると、20センチ幅で10センチの深さの線が描かれているだけで、とても絵とは思えませんでした。

スペイン軍に滅ぼされ、謎に包まれたインカ帝国ですが、遺跡の石組みは厳然として、インディオは、今も色鮮やかな織物や編み物を身に纏い、インカの文化は受け継がれて、現代のペルーで立派に生きている。機会があればぜひもう一度行きたい国のひとつである。



管理者:浜端計行

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