ロシア
2005年9月18日〜24日 決定版ロシア7日間(阪急交通社)
サンクト・ペテルブルクはモスクワと並ぶロシアの大都市で、ロシア・ロマノフ王朝の古都である。ソビエト連邦時代はレニングラードと呼ばれていたが、ソ連崩壊を受けて1991年の住民投票により、再び現在の名称に戻った。現在のロシア大統領であるプーチン氏がこの都市出身であり、今年の7月にはサミット(G8先進国首脳会議)が開催されたところでもある。

この都市は、当時辺境国であったロシアが西欧諸国と肩を並べるための「ヨーロッパへの窓」として、漁民しか住まない沼地に、ロシア皇帝ピョートル大帝が1703年ペテロパヴロフスク要塞を建設したことから始まった。荒涼とした湿地帯に、ネヴァ川から分流と運河を取り入れ、42の島からなる「水の都」で北のヴェネチア(イタリア)とも呼ばれている。また、貧欲に西洋文化をこの町に取り入れ、多くの要人達もモスクワから強制移住させ、急速にロシアの近代文化を押し進め、世界に比類なき都として発展し、1703年から約200年間、ロシア革命によって1917年再びモスクワにもどされるまでロシアの首都であった。

この都市にあるはエルミタージュ美術館として世界の名画や芸術品が集まる「冬の宮殿」。現代のテーマパークさながらのアトラクションで、訪れる者の度肝を抜く「夏の宮殿」などが立地する歴史地区が世界遺産に登録されている。歴史地区は建設時西欧諸国から有名な建築家を招いただけあって、ロシアには珍しくヨーロッパ的雰囲気が漂っている。

 私が訪れたのは9月の半ばでしたが、北緯60度に位置するサンクトペテルブルでは、やはり気温は低い、マフラーや手袋までは必要でなかったものの、セーターとジャンバーは必需品であり、間違っても半袖一枚で過ごせるような気候ではない(北緯60度は、日本近郊では樺太より遥かに北のカムチャッカ半島の付け根ぐらいの位置)。

エルミタージュ美術館は大英博物館、ルーブル美術館とともに世界3大美術館といわれているが、他の美術館と性質が異なる。もともとロシアの歴代皇帝の皇居として使われていたところであり、「冬の宮殿」と呼ばれていた。それだけあって、行ってみて驚いた。ほんとうにデカイ!現在の美術館は5つの建物(冬の宮殿を中心に、劇場、3つの離宮)でできており、それぞれ回廊で結びついている。豪華絢爛な建物自体が、すでに美術品であるが、歴代皇帝によって集められた収蔵品は300万点にものぼる。隅から隅まで見ようと思ったら、1週間通っても無理である。

さらに、サンクト・ペテルブルク郊外にある「ピョートル夏の宮殿」では斜面を利用して作られた147個の噴水があり、それぞれ趣味を凝らした水の出方に驚かされた。また、エカテリーナ宮殿では、2003年のサンクト・ペテルブルク建都300年を記念して公開されるようになった「琥珀の間」が有名である。文字通り、部屋の壁や、壁に掛画の額縁、ロマノフ家の紋章などが、さまざまな色合いの琥珀を組み合わせて造られているとてもきれいな部屋であった。



管理者:浜端計行

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