カンボジア
2004年5月17日〜23日 まんぞく紀行 アンコールワット+ホーチミン(JTB)
アジアを代表する世界遺産であるアンコール遺跡群は、東南アジアのタイとベトナムの間に位置するカンボジアのシェムリアップという町の近くにある。

その遺跡群には、世界的に有名なアジア最大の石造寺院アンコール・ワットだけでなく、四面仏顔塔で有名なバイヨンのあるアンコール・トム、熱帯の巨木に呑み込まれる発見当時のままのタ・プロームなど、総数1,000を超える石造建築がある。これらの遺跡は9世紀から600年間にわたり、東南アジアに君臨したクメール王国のアンコール王朝によって築かれたものである。

アンコール・ワットとは現地の言葉であるクメール語で「寺院のある町」という意味である。12世紀前半にアンコール王朝のスーリャヴャルマン2世によって30年の歳月をかけて建設されたアンコール遺跡群最大の大伽藍で、ヒンドゥー教のビィシュス神を祀る寺院であるとともに、王を神格化して祀墳墓寺院とするため、西方浄土を拝するよう、アンコール遺跡中唯一西向きに建っている。環濠で囲まれ、境内の中は3重の回廊がめぐらせている。カンボジア国旗や紙幣にデザインされるなど、カンボジアの象徴になっている。

 アンコール・トムとは「大きな町」という意味で、12世紀後半にジャヤヴァルマン7世によって建造された、アンコール王朝最初の都城で、クメールが最も繁栄した時代に造営された。ほぼ正方形で周囲には延長12km、幅130mの濠がめぐらせており、アンコール・ワットの約10倍の広さである。都城の中心には仏陀を祀るバイヨン寺院で、アンコール・ワットと同様に、神の世界を地上に具現化した、クメール独特の様式をもつ寺院である。

タ・プロームは、当初、王の僧院(ラージャヴィハーラ)と呼ばれたが、後にヒンドゥー教寺院になったとき改名された。発見当時の姿をとどめ、最小限の修復しかされていないので、成長を続ける何本ものガジュマルの大木は、丸太ぐらいの太さの根を縦横に伸ばし、いたるところで周壁や屋根に絡みついている。薄暗い遺跡にガジュマルの白く滑らかな樹皮が不気味に浮かび上がり、ジャングルに埋もれた遺跡探検の気分を味わうことが出来る。また、ここは映画「トゥーム・レーダー」が撮影された場所でも有名である。

アンコールを訪れる観光客の数は、世界遺産に登録された1992年には年間1万人足らずであった。しかし、ここ数年で大幅に増加し、私が訪れた2004年には100万人を突破し、翌2005年には140万人を超えたようである。15年間にカンボジアを訪れる観光客はなんと140倍以上になったのである。その中でももちろん日本人が最も多く、年間10万人以上が訪れている。アンコールはそれほど魅力のあるところであり、もう一度訪れてみたいと思う。



管理者:浜端計行

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